こんにちは。鍼灸師の脇谷です。
寒さが本格的になってきました。
冷えは万病のもと、というわけで今回はお灸のお話です。
以前、当院のブログでお灸にも様々な種類があることを書きましたが、
今回オススメするのは、「へそ灸」です。
そもそも、なぜへそを温めるのか?
実はへそも「神闕(しんけつ)」という重要なツボなんです。
そしてその周囲にもツボが点在しています。
これらのツボは、前回ご紹介した五臓のうち「脾」を強力に補うとされます。
つまり、胃腸の機能をフォローアップするのです。
これは科学的にも証明されていて、
ある大学病院の研究では、へそとその周囲半径5㎝に40℃の温熱刺激を15分間与えて
腸内の血流量を測定したところ、驚きの結果が出たそうです。
上腸間膜動脈の1分間の血流量が、温熱刺激前は800mlだったのに対して、
15分刺激後は1000mlまで増えたそうです。
しかも刺激終了後10分、15分、20分とずっと増加した状態が続いたとのこと。
上腸間膜動脈は胃腸にかなりの血液を供給する主要な動脈です。
この血管血流量を増加することで、胃腸の機能向上が期待できるわけです。
また腸内血流量が不足すると腸の動きが悪くなり、便秘の原因となります。(特に高齢者の方)
冬場の冷えは血行を妨げ、腸内血流量をより低下させる可能性があります。
よって、冷えや胃腸の弱りでお悩みの方には、へそ灸は最適なセルフケアと言えます。
へそ灸のやり方は、市販の温灸器を使用します。
写真のように少し離した所から、ゆっくりとへそ周りを温めるのですが、これが非常に心地良いです。
最近では火を使わず、手軽にへそ周りを温めるグッズも市販されています。
「へそ灸」や「温灸器」で検索するだけでも出てくるので、興味のある方は調べてみて下さい。