リハビリテーション科の青堀です。
今回は「体幹」について考えてみたいと思います。
リハビリやスポーツ現場にて、よく「体幹」というワードを耳にすることが多いかと思います。しかし、その意味するところは、腹圧などの腹部周囲を意図することもあれば、脊柱(頭部から仙椎まで)の姿勢を意図することもあり、状況により内容がバラバラではっきりしていないことが多いです。
「体幹」が強いと聞くと、腹筋、背筋がムキムキの状態で当たり負けしないことをイメージするかと思いますが、重要なのは動きの中でブレない、「動的に安定する」ことです。そのためには、体幹自体の柔軟性と強さ、体幹と四肢が連動してスムーズな動きができるということが必要です。スポーツの種目によって体幹を使う用途は異なるので、その競技にあったトレーニングが重要になると思います。
体幹のトレーニングを行う際、ターゲットとなる筋として「腹横筋」と「多裂筋」があります。これらは体幹深部に位置し、体幹(特に腰椎)の安定性を制御するとされています。トレーニングとして、腹横筋は「elbow toe+上肢・反対下肢拳上」で、多裂筋は「back bridge+下肢拳上」にて効果が検証されています。1)
今回、体幹についてその意味とトレーニングを紹介させていただきました。トレーニングもいろんなパターンがありますので、競技の特性等を考慮して選んでいただけたらと思います。
【参考文献】
Sports medicine214.体幹について考える. P25-28
1)大久保雄:Core stabilization exerciseの効果検証.臨床スポーツ医学、4(1):32-37、2013.